家族との食事②(2004年7月)

家族と食事について以前にお話しました。
先日、ある中高一貫の学校の説明会に出席して、興味深いお話を伺いましたのでもう一度この話題を取り上げたいと思います。

その中学校の中学1年生にアンケートを取ったところ、家族一緒に食事をとるという家庭は全体の15%という結果だったのだそうです。
成績の良い悪いにかかわらず、こういう結果だったといいます。
朝食摂取は4月の段階で67.6%、これは予想していた以上に多いので少しほっとしました。
もう一つ顕著な傾向は、両親が離婚したり別居したりする数が多いのは、中学1年生の家庭だということだそうです。

家族との食事について改めて考えてみると、①家族の大切な一員であって欠かすことのできない存在であるという心の支えを養い確認する場であり、②行儀作法を伝えていく中で培われる、忍耐強さや人の言う事を吸収実践できる力を育てる場でもあると言えます。
また、③相手を思いやる心を育てる場でもあるでしょう。

自立できるということは、それに伴う心の支えがあって初めてできるのであって、心の支えがなくなっては孤立に陥ってしまいます。
早く自立した子を育てたいとかもっと個人の自由を尊重したいといった今日の家庭の状況で、はたして十分な心の支えを作れるのでしょうか。
子供たちの心の闇をさらに深くしているように思えてなりません。
もし、家族との食事のような場が作れない環境にあるとしたら、それは学校や公的機関がその受け皿を作って、その役割を引き受けなければならなくなるのでしょうか。

我慢ができない子が増えています。
問題を解くときも答えをみないでトコトン考えつづける、これも一つの我慢です。
食事のマナー、礼儀作法を根気強く教えていく中で、我慢をする力の根本が養えるのだと思います。
こういった今までなんでもないと思っていた家族との日常生活が、非常に重要な教育の場ともなっているのだと多くの方に自覚していただきたいと思っています。

Miyachi-Zemi

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