小さな芽を育てる考える学習 個別指導学習塾

 

宮地ゼミナール

 

中学受験・高校受験・内部進学・小中高補習

80点以下を取ったら頭からお茶 (2022年10月)

 

今年度から多くの私立学校が塾対象の説明会を会場で開くことを再開しました。毎年できる限り多くの学校を訪問し、入試情報を入手するように心がけています。


学校を訪問させていただくとその学校の雰囲気、先生方の熱意、生徒の様子が直接肌感覚で伝わり、感心することもあればがっかりすることもあります。中でも校長先生のお話はその学校の方針がよくわかります。先日もある学校を訪れ校長先生からこのようなお話を聞きました。


お仲間の他の有名進学校の先生とお話をしていたときのこと。その学校のある生徒がテストで80点以下の点数を取ると母親が頭からお茶をかけるので先生に相談したのだそうです。その先生は学校の父兄会でこの話をされたところ父兄からは冷めた反応。ある父兄から「この学校に入れるまで相当の投資をしている。成績が上位でないと意味がない。」と発言があり、賛同の拍手が挙がったというのです。 読者の皆さんも賛同されますか。


教科の点数だけで評価し、投資額という基準で自分の子供を捉える考えに全く賛同しません。その生徒が何をやりたいのか、意欲を持って取り組めることにできる限りの応援をするのが本来の親の姿であり、子供の心の健全な成長があると考えます。優秀な成績を取って有名大学へ行くことだけを基準に考えて子供に接していくとどうしても心に闇を抱えてしまいます。やりたいことを押し殺して成績のみを判断基準に考えていくと、その不満の吐口が他人への差別や悪口、いじめ、教師への侮蔑、授業放棄、そして不登校、非行、自殺など子供に関わる多くの痛々しい事件につながっていくように思います。


かつて何代か前の聖学院の校長先生が「頭の良い悪魔を育ててはなりません」とおっしゃていたことがとても印象に残っています。


中学受験で有名大学附属校や有名進学校以外の学校を受験させるのは意味がないとおっしゃる父親の方がいらっしゃいました。有名校を合格し大人になって官僚になり天下りして高給を取るのだと言った中学生もいました。若者が社会悪を糾弾するのではなく自らその道に進もうとする心が育っていることに愕然としました。


大事なのは子供の興味関心を育て、正しい心を育てることです。成績はもちろん大事。叱ったり褒めたり一緒に悩みながら成長しましょう。子供の正しい心の成長と意欲を育てる教育が今こそ必要です。宮地ゼミナールはそれを目指す学習塾です。社会が荒廃していくのを見るのはとても悲しいことです。