都立高校推薦試験が大きく変わる!(2012年12月)

都立高校の推薦試験は、調査書点+面接点のみ、またはそれらに作文や小論文の点数を加えた合計で合否が決められていました。
今年までは調査書点の割合が比較的高く、作文や小論文の検査のない学校も多くありました。
しかし、来年度からは作文または小論文が必ず課され、面接も個人面接と集団討論という新しい検査が追加されました。
調査書点(内申点)は高いけれど実力のない生徒が推薦試験で安易に入っていたことを改善した形になっています。
そして、集団討論では発言能力やリーダーシップ力、協調性など学力試験では測れない新しい観点から検査をしようという意図が見られます。
こういう推薦試験は時代の流れに沿った歓迎すべき試験の在り方であるように思われます。

例として上野高校の推薦試験を見てみましょう。
今年の推薦入試は以下のようになっていました。
○調査書点700点+面接点150点+作文点150点=合計1000点満点
得点全体に占める調査書点の割合は7割でした。
ところが来年度からの改訂で次のようになります。
○調査書点500点+面接点300点+作文点200点=合計1000点満点
調査書点の割合が総合成績の5割を上限とすると決められ、面接点が今年の2倍の300点、作文点は50点多い200点となりました。
集団討論は、標準で面接官3人に対して生徒5人のグループで30分程度、面接官の提示するテーマをもとに行われるようです。

この検査で評価されるのは、次のようなものでしょう。
・他の人の意見を正しく理解し、自分の考えを他の人に正しく伝える力があるか。
・課題を論理的に考察し、広い視野に立って判断し、わかりやすく伝える力があるか。
・協調性を持ち、入学後も指導的役割を果たしていく力があるか。

今の社会に求められているプレゼンテーション力、コミュニケーション力、リーダーシップ力といった観点から判断しようとしています。
さらに作文・小論文の検査では、幅広い知識や思考力、表現力が求められます。
これらの要請に答えるためにも、普段から時事的なニュースや教養番組を観て家族で意見を交換したり、新聞や本を読んでその話題を家族で話し合ったりして知的好奇心を高め深めることがますます重要になってきています。

今は大変豊かで便利な時代で、子供たちは買い物の計算をしたり、お使いやお手伝いしたり、食卓を囲んで家族で話し合う機会が少なくなっています。
それに伴って、放っておくと他人と話せなかったり、お金の計算が早くできなかったり、仕事を早く済ますことができなかったり、不器用になったり、自己中心的になる傾向があります。 大人たちは意図して子供たちにお手伝いやお使いなどの仕事を与えて、これらの力の基礎を養っていくことが求められています。

Miyachi-Zemi

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