来年からの教科書はボリュームたっぷり(2011年11月)

来年からの中学の新しい教科書は、理科と数学の以前削減された内容が復活され、その他の教科も内容が増加します。
今ままでのように家庭学習もせず、のほほんとしていては、消化不良になって勉強についていけなくなるでしょう。
ページ数を比較してみると、英語が平均126%、数学が133%、国語が119%、理科が140%、社会が118%とそれぞれ増加しています。
授業時間と同様に理科と数学の増加が目立ちます。

英語ではこれまでのオーラル中心から文法に重点を戻し、文法の確認と問題が加わっています。
関係代名詞whatや関係副詞、現在完了進行形、未来の受動態などが加わっています。
単語数も900語から1200語程度へと増加し、かなり難しい長文と内容を問う問題が巻末にFurther Readingとして置かれるようになりました。
語彙数は教科書によってバラバラで、最多では光村図書の1298語、少ないものでは教育出版の1136語と、使用教科書によって差がつくことも考えられます。
聞く・話す・書く・読むのうち、聞く・話すは小学校にある程度任された代わりに、読むのページ数が増えています。

数学は解の公式などの削除された内容が復活しています。
事例導入の説明が倍になり、復習や例題が細かく詳しく説明されています。
また、新しいパターンの紹介や発展問題もプラスされています。
今までの教科書と違って、より参考書的になり、自分で取捨選択して自己責任でどんどん自分でやりなさいという教科書に変化してきています。

国語は伝統文化を重視し、近代文豪の文章や古典などが復活しています。
今の生徒たちは難しい言葉を知りませんし、知ろうという意欲もありませんから、これはかなり大変になるだろうと思われます。
論理的文章を読んでそれに対する反論や意見を文章に表す問題も加えられています。
これは公立中高一貫校の入試問題の傾向にも沿ったもののように思わてます。

社会は日本や世界の2・3カ所しか学ばなかった地理が全地域に広がり、歴史では世界4大文明や宗教など世界の歴史も追加されます。
すべてに発表や活用を求め、表現力を問う問題が加わっています。
これからの国際人として当然知っているべき教養ですのでこの改定は当然でしょう。
理科は今までの教科書と存在の立脚が変わり、一人で読んでもわかる教科書に変わっています。
今までは実験をしてみようで終わっていて、わからない問題ができた時、教科書を調べても何もわからない教科書でした。

教科書が先生が教えるツールから家庭学習を支援できる教科書に変わりました。
内容が大幅に増え、自分で取捨選択してどんどん進めていける教科書になりました。

Miyachi-Zemi

TOP

お知らせ 教育方針 入会案内 TOPIC 室長ページ