2学期制それとも4学期制(2007年10月)

「ゆとり教育」から学力重視への文科省の180度の方針転換には驚きましたが、土曜を休みとする週5日制による授業時間の減少が学力低下の一因で、これが今後どのように展開していくかが関心のあるところです。

私立学校の多くが週5日制から週6日制への転換を行いました。
現在多くの私立学校が、土曜日も平常授業をしています。
単なる授業時間という観点からみても、公立の学生と私立の学生との学力差が開いているのは明白と言えるでしょう。
さらに、学期の問題があります。従来の3学期制から、2学期制にすることによって、定期テストによって割かれる授業時間を確保しようとする学校が増えました。
また、公立でも、ここ荒川区のお隣、足立区では2学期制に加え、夏休みを削減する策を採って授業時間を確保しよう、学力向上を図ろうとしています。

また、荒川区の複数の中学校で、3学期制ではあるものの、1学期の中間テストを省略し、定期テストを年4回とする2学期制と同じテスト回数の方式を採っています。
これはもしかするとこの2学期制を意識したものかもしれません。
しかし、5月に定期テストを行わないことによる緊張感のなさによって、せっかくの新しい意欲がそがれる、あるいはゆるんだ習慣が身につきやすい、という結果になる恐れがあるように思われます。
定期テストをすることが大変でも、3学期制であれば、1学期でも中間テストを実施するほうが良いと私は思っています。

それに対して、私立学校の中には、4学期制、5学期制にするところもあります。
着実に年々学力を伸ばしている豊南高校では、4学期制を検討しているとのことです。
4月から7月31日(講習の8月中旬を含む)までを1学期、8月21日から10月中旬までを2学期、10月下旬から12月までを3学期、1月から3月までを4学期としています。
4学期制のメリットは、通常の過程を前3学期で終え、次の学年の課程を4学期に当てて、先取り授業を行えるところです。
なんとか中高一貫生に追いつき、有名難関大学への道を開きたいという意欲がうかがえます。
また、37週から40週を授業に取れるということで、家庭から生徒を引き離し、生活リズムをくずさなくさせることをもねらっているようです。

また、淑徳巣鴨中学高校では、中間テストを期末テストに格上げし、5学期制を導入しています。
また、キャリアデザイン教育として様々な分野から有識者を招いてスポンサー講座を開催し、小論文、ディベートなどの授業を行い、アシスタントティーチャーとしてここもOBを招いているとのことでした。
さらに個別教育を図るために施設を拡充することも考えているようです。

何学期制にするのが一番良いのか、一概には言えませんが、私立学校の意欲と工夫、熱意と決断の速さには頭が下がります。

Miyachi-Zemi

TOP

お知らせ 教育方針 入会案内 TOPIC 室長ページ