一貫生に追いつくカリキュラム(2007年10月)

私立中学の中高一貫プログラムのほとんどは大学受験を念頭に置いた先取り授業です。
高校2年か3年前期で高校過程すべてを終え、高校3年では大学受験に向けた演習を中心に行うものです。

この中高一貫プログラムは、能力の高い生徒には効果的で、高い進学率をあげている学校も多いのです。
このため、高校からも募集していた学校が高校募集を廃止して、中学生のみしか募集しないとする傾向が増えてきました。
また、現在の公立中学の絶対評価が地域によってまちまちで、内申点が取りにくい地域と、取りやすい地域があり、推薦基準としている内申点が当てにならなくなっています。
そのため、予想外の学力の低い生徒が入学してきてしまうのを防ぎたい、また、公立の生徒の週5日制でゆるみきった生活習慣を鍛え直すのが難しい、という理由で高校募集停止に踏み切るところも多いように思います。

それとは逆に、私立学校でも中学がなく高校のみの学校や、中高一貫クラスとは別に高入クラスを堅持している学校もあります。
そういった学校では、能力の高い生徒を集めて特進クラスを設け、中高一貫生に追いつき追い越すためのハイスピードのカリキュラムを突き進んでいます。
例えば、毎日8時間授業、週6日制、放課後補習やサテライト授業、夏休み中もほとんど講習、これらがすべて当たり前の授業となっています。
目的意識が明確で学習能力に優れている生徒は、この特進高校カリキュラムが中高一貫生と対抗できる有効な手段になるでしょう。

しかしながら、高校に入ってから進路について考えようとか、ついていくのがやっとという生徒にとってはつらい高校生活になるでしょう。
また、途中で疑問を持ったり、興味あることができたり、方向転換を考えようとしたときに、そこを深めるために立ち止まる余裕はありません。

進路を悩み、クラブと勉強の両立を悩み、勉強時間や勉強方法に悩んで、ああでもない、こうでもない、どうしたらよいだろうと考え試行錯誤する生徒が、結局は、人間的にも学力的にも大きく成長するのを見てきました。
それにはハードな状況と少しの余裕、それと良き友達なり理解者が必要です。
がんばって自分自身を鍛えてください。

Miyachi-Zemi

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