朝読書は機能しているか(2007年7月)

私立中学では、以前から授業の始まる前の10分間ほどを朝読書と称して、読書を行っている学校が多くあります。
公立中学校でもこの朝読書を取り入れるところが多くなりました。

しかし、多くの学校は先生方が職員会議をしている間の時間で、朝読書の監督がいない状態である場合が多いようです。
ですから、生徒たちの話を聞いていると、その時間に宿題をやっているとか、友達にお手紙を書いているとか、お話をしているとか、なかなか朝読書の時間として機能していないように聞きます。
やはりこういったいわゆる自習の時間の使い方は、一人一人の生徒自身の自覚が絶対に必要です。
まして中学生が集団で自習時間をもつときは、見栄や対人関係からまじめに取り組めない場合も多いと思います。
公立学校のような学力レベルや自律生活制御能力レベルが多様である集団の場合、本当に朝読書を機能させようとしたら監督はぜひ必要だと思います。

最近は文字をなかなか読まない生徒が多くなり、読書といってもマンガを読んで読書したと言っている生徒もいるほどです。
また、読む本も易しい言葉で書かれた本しか読まないという傾向があり、まともな説明文が読みこなせない生徒が増えています。

私立中学では多くが読書を勧めていて、中学3年間で100冊を目標とするところが多く、淑徳SCでは読書120冊プロジェクトを進めるというお話でした。
また、以前から感心している、三輪田中学で行っている読書は、社会科と連動して、文学作品から社会的な作品、科学的な作品や古典に至るまでを網羅しており、その読書リストはよく考えられています。
一度説明会に出かけられて、その読書リストを見せていただくことをお勧めします。

では、私立でなければ良い読書や読書習慣が身につかないのか。
そんなことはありません。公立学校でも読書をいっぱいする生徒はたくさんいます。
しかし、読書するのが当たり前でない環境で、読書に興味をもたすことは大変難しく、家庭でのご両親の読書に対する関心度とも関連してきます。
反対に、私立中学での読書課題が本人にとって大きな負担で、自分の興味ある分野の本が自由に読めないという場合もあります。

いずれにせよ、一番大事なのは本人の自覚です。
つまり、生徒自身にいかに読書が重要であるかを納得させられるかです。
この夏、自由時間を使って、親ともども一緒になって読書をして、興味や関心を広げられたらよいですね。

Miyachi-Zemi

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