ゆとり教育から学力重視への転換(2006年10月)

全国一斉学力テストなど様々なテスト結果は、ゆとり教育の中で学力低下が起こっているという事実を裏付けています。
そこで公立校でも習熟度別授業や土曜学習を行ったりする学校もでてきました。
荒川区でも行っている学校選択性は各学校の競争を見据え、学力改善を図る意図もあるように思います。

公立の中高一貫校の誕生、進学重視の公立高校の誕生はその路線の賜物です。
さらに土曜授業やサテライトを使った予備校授業、その上予備校教師を招いた進学授業まで受けられる公立高校さえ出てきました。
高校の単位未履修問題は、ゆとり教育の名残である、少ない授業数の中で進学率アップを図りたいという公立高校のあせりに他なりません。

しかしこの急激な学力重視への転換は点数主義、結果主義、ひいてはそのストレスからの様々な問題を引き起こす可能性が大きくなっているのは注意しなければなりません。
公立校の追い上げを受けて、どうやったら学力アップが図れるか、私立校もいろいろな試みをしています。
すでにほとんどの学校で採用されているのは、朝学習、朝読書、習熟度別分割授業、勉強合宿、放課後補講、土曜普通授業による授業数の確保、サテライトや予備校講師による進学授業です。

中には順天のように学校合宿を行い勉強の仕方や習慣をきっちり身に付けさせる学校もあります。
さらに東京大学を始めとする有名大学から学生のチューターを採用して演習をする学校も増えてきました。
関東第一、成徳、共栄など、多くの学校が採り入れています。

また、教師の授業改善のために生徒による授業アンケートをとっている学校もたくさんあります。
授業計画のシラバスをきちんと各教科年度初めに生徒に提示することも欠かしません。
八雲学園では担任とは別に、先生による、学年を超えたチューター制度を整え、学習相談、生活相談などこまごまとした面倒を見ています。

多くの学校は特進クラスを設けています。
年々募集人数を増やし、その分普通クラスの募集人数を減らして学校全体のレベルアップを図る作戦を採っています。
最近はさらにその上を行くスーパー特進なるものもあちこち出現してきました。

しかしその速い授業や有り余る課題の山にダウンしてしまう、いわゆる「特進崩れ」もかなり出ているように聞きます。
その結果勉強嫌いになったり、保護者の激励に反発反抗無視といった態度になったりする例も出ているようです。

Miyachi-Zemi

TOP

お知らせ 教育方針 入会案内 TOPIC 室長ページ