2006年中学校の教科書改訂(2005年12月)

来年は中学教科書の改訂があります。
その内容を見てみると、理科はどの出版社のものもページ数が20~30ページほど増え、数学、社会もほとんどが増えています。
英語は平均して10ページ前後の増加、国語はページ数が減っているものもありますが大判化して、結局内容は増加しています。

これはやはり「学力低下問題」と「履修内容3割減」への反発を受けてのものです。
しかし、2002年の「ゆとり」理念に基づいた新指導要領はそのままなので、「発展的学習」という形でカットされた所が復活されるわけです。

しかしながらこの「発展的学習」は、教科書によって項目が違い、ある内容が載っている教科書と載っていない教科書が出てきています。
つまり、ある項目を習う生徒と習わない生徒が出来てしまうわけです。
また、指導要領外の項目ですから、指導現場で扱われるかどうかも決められていないので余計厄介なのです。

また、数学は説明型の教科書から、演習型へと転換が図られていて、中には解答がついているものもできたようです。
理科には解答がつくようです。これは限られた時間で処理できない現実を鑑みて、ある程度の自学自習を想定してのもののようです。

荒川区の現状を考えてみますとやはり処理できない場合が多く、はたして発展学習に余裕を持って入ることができるか、やり残した所は答えを写して終わりにしてしまわないかなど問題が残されます。
どちらにしても、指導要領がミニマムスタンダード化(教えることの最低限化)し、学校で教わる内容も現場の裁量自由になったことで、教育においても個人の責任に任され、自学自習できる習慣を身に付けることがさらに必要になってきたと思います。
ひと昔前のような、教育は学校にお任せでは全国的水準からはどんどん取り残される可能性が大きくなり、教育分野でもますます格差が広がる可能性が出てきました。

Miyachi-Zemi

TOP

お知らせ 教育方針 入会案内 TOPIC 室長ページ