100マス計算の効用②(2004年6月) |
実際、ある私立高校でも100マス計算を取り入れているとのこと。小学校ならともかく、高校で100マス計算かと愕然としましたが、短時間に集中力をつけるにはなるほど一理はあると思いました。
クラス全体がざわついて落ち着かない時、足し算・引き算・掛け算・割り算という誰でもできる単純作業を行うことによって、心を落ち着かせたり、集中させたりできるように思います。
さて、小学校の低学年の生徒の足し算、引き算を見ていると、なるほど10進数というのは両手の指10本で数えることから発達してきたんだなあと感心しています。
指を折って物を数える時、私は親指から順に折って数えますが、足し算・引き算が苦手な子の中には、人差し指から折っていき、両手で8まで数えて、その後に両手の親指を折って10まで数える子がいます。
こうすると、あといくつで10になるのかという見通しがつきにくくなるのですね。
だからいくら同じような計算をやっても同じように時間がかかって、間違いも多くなってしまっているのです。
ここでも家庭の絆というかふれあいというか、そういったものが希薄になってきていると感じざるを得ません。
お風呂に入る時、「ひとーつ、ふたーつ…」と指をいっしょに折って数えるというような、遊びとも学びとも言えないようなほほえましい親子のふれあいの時間がなくなっているのかと、とてもかわいそうになってしまいます。
始めが肝心です。
最初に正しいやり方を身に付けさえすれば、あとはスムーズにいくものです。
100マス計算を考えていて、やはり子供をめぐる環境に行き着いてしまいました。
Miyachi-Zemi