入学試験と「習慣」を変えるエネルギー(2004年3月)

今日は都立高校一般入試の発表でした。
昨日まで「受かるかな、落ちるかな。落ちたらどうしよう。」と不安を抱えていた生徒も満面に笑みを浮かべて、「受かったよう!」と大喜びでやって来ました。
推薦入試の失敗のあとの一ヶ月間の踏ん張りと成長を見ていると、やはり学力試験を伴わない推薦制度自体に疑問をもってしまいます。

新しい方法を見つけ出す、あるいは目に見えて人間が精神的に成長するといったような意味深い進歩は、概して大きな困難にぶつかった時に獲得できるもののように思います。
安易な推薦入試は、そのようなチャンスを奪っているのではないでしょうか。
全てを何かにかけるという経験をしてこそ新しい何かが生まれる。大きな精神的成長が訪れる。
30年以上も受験生とかかわってきた、その経験からもそんな気がします。

一度獲得してしまった「習慣」を変えるのは非常に難しいです。
例えば、毎朝、今までより30分早く起きるとか、夜30分早く寝るといった些細なことでさえ、いざやろうとするとなかなかできないものです。
また、何かをする時には必ず「お決まりの順序」を踏むといったことはないでしょうか。
これほど一度習得した「習慣の力」は大きく、それを変えるのには大きなエネルギーを必要とします。

解らないと言って諦めずに納得するまで考え抜くという「考え方の習慣」も同じです。
既に獲得してしまった、すぐ諦めてしまう悪い「習慣」を正しく変えていくのが勉強であると言うこともできます。
そしてその大きなエネルギーを与えてくれるのが、教師との出会いであり、学友との出会いであり、入学試験であるといえるのではないかと思います。
こういった意味で入学試験を捉え直していくと、よりポジティブなものになるのではないのでしょうか。

受かるであろうかという不安を抱えて、全力でトライする入学試験を経験した生徒は、何かが違っています。
自信、集中力、ものの考え方、落ち着き、そういったものがワンランクステップアップした、そのように感じます。
不安に負けずよく頑張りましたね、合格おめでとう!

Miyachi-Zemi

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