「学力は家庭で伸びる」第一章(2004年2月)

陰山英男先生の著書「学力は家庭で伸びる」を手に入れました。
とても興味深く思いましたのでここで取り上げてみたいと思います。
とても参考になるので皆さんにもぜひ読んでいただきたいと思います。

第1章の「ジワジワ効いて結局「学力」が上がる16か条」を見てみます。
  1.翌日の時間割は自分でそろえさせる 
  2.宿題は食卓でさせよう 
  3.宿題を親がやらない 
  4.今日習ったことを口に出して読ませる 
  5.「勉強しなさい」と言わない 
  6.リビングに図鑑を置こう 
  7.子供の前で辞書、事典を引く 
  8.習い事は週3日を限度に 
  9.親子で週1回は図書館に行く 
 10.「何時までにやろうね」と時間を決める 
 11.博物館に行こう 
 12.親子で近所を散歩して地域を知ろう 
 13.地球儀をテレビの横に置く 
 14.鉛筆を正しく持たせよう 
 15.百ます計算は効果が出るまで続ける 
 16.ひとりで無理ならみんなで読み書き計算を

題名だけをそのまま受け取ると誤解されるものもありますので、ぜひこの本を読まれることをお薦めします。
特に3の「宿題を親がやらない」というのは、親が全くノータッチでいることとは違います。
子供ができるはずの問題まで親に頼ろうとしている時に自分で解くように促すことを言っています。
ですから、つまずいた問題や難しい問題は一緒になって考える、ヒントを与えるということは大切だということ。
それに普段から子供の勉強を見て、つまずきや実力を判断し、「できるはず」の程度を把握することが大事だといっています。

もう一つ、5の「勉強しなさいを言わない」も語弊があるといけません。
受験中心の考え方に毒されてしまって、子供に不健全な生活をさせている受験ママに対して言っているのであって、それ以外の一般?の人には言っていないのです。
私はかえって「勉強しなさい」と言ってくださいとお願いしています。
この本にもあるように驚くほど教科内容が削減され、小学校では世界地理や世界史がほとんど学習されないばかりか、日本の都道府県でさえ充分に反復記憶されないままで終わってしまいます。
分数・小数もばかばかしいくらいの計算で終わりです。
勉強は学校にお任せという態度では、反復学習が不完全で、最も基本的なものまで未消化で身に付かずに終わってしまう恐れがあるのです。

全体をまとめてみると、1・2・3・5・8・10の項目は親が全てお膳立てをするのでなく、子供が自分でできるように促してやるということ。
4・6・7・9・11・12・13は知的活動に関心を持つように親が積極的に環境を作り出すこと。
14・15・16は具体的な勉強について言及しています。

ところで、14「鉛筆を正しく持たせよう」は集中力や健康面、運動面から論じていますが、私はこれが学習の根本ではないかと最近考え始めています。
何かを教わる時、徹底して身に付けるか、いいかげんで諦めてしまって自己流に固執するか、放っておかれてフォームさえあるのを知らないか、こういった基本的なものの考え方を決定付けてしまうほどの影響力があるのではないかと疑っているのです。
親の私がダメですからというのは言い訳になりません。
親自身がこれを契機に直していくという態度(言い換えれば子供から学ぶということでしょうか)こそが、「学力は家庭で伸びる」ということで最も大事なことと思います。

Miyachi-Zemi

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