荒川区学力調査結果(2003年6月)

2003年6月5日荒川区は2月19日に区立の全小学校・中学校で行なった学力調査の結果を公表しました。
学校の序列化につながるのではないかということから、公表も玉虫色のものでないかと思っていました。
しかし公表されてみると各学校の到達度が数字としてはっきり示されており、荒川区は情報開示を行い本腰で教育改革に取り組むのだという意欲的な姿勢を読み取ることができました。
荒川区は、毎年行なうこの全校学力調査と小中学校の学校選択制、英語教育推進特区としての小・中一貫英語教育など、教育に関して全国でも例を見ない新しい試みを推進しています。

この調査結果をざっと見たところ、学力が遅れ気味だろうと思っていた学校がやはり数字的にはっきり出てしまっていたり、しっかりしていると思っていた学校も人数が多いせいで平均点がそれほど高くならなかったり、いろいろ考えさせられました。
この学力結果を見て学校選択をするのも1つの手段です。
各学校と各先生方がこの結果を見て、どのような方向を打ち出すのかにとても興味があり期待しています。

荒川区ではこの調査を次の3つの目的で行なったとしています。
(1)生徒が自分の学習到達度と意識を客観的に認識し自己の学習課題を明確にできる
(2)教師の指導法と各学校の教育計画の改善
(3)学校教育の成果と課題を明らかにし区民に信頼される学校作りの推進

実際生徒に配布された結果表には、「あなたは基礎は何%応用は何%できています。目標値を超えるように努力しましょう」と記述されてありますが、具体的でないため実際生徒の立場になって考えると、いったいどんな学習をしたら良いかが判りません。
また実際に解いた問題がどのようなものか判らないのと、どのように間違えたのかが判らないため、このままでは生徒にとっては全くといっていいほど役に立たないでしょう。

しかし(2)の教師にとっては一つの指標となり、競争意識も持てるので指導法の改善に大いに役立つように思います。
また、各学校の個性を出すため、ある教科を重点的にやるという方向も出るかもしれません。
しかし、国語・数学・英語以外の科目や部活動・ボランティア活動・特色ある総合学習などの評価がでないためそういった面が疎かにされる可能性があります。
アンケートに「学校で特色ある活動を行なったか」といったものが含まれてよいように思います。
(3)に関してはどんどんこういった情報を開示してくれた方が信頼を得られるように思いますので大賛成です。

アンケートもとても興味深く、これからじっくりと検討してみたいと思いますが、とにかく、思った以上に素晴らしい公表でした。

Miyachi-Zemi

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