トップの交替(2003年5月)

私立中学・高校の学習塾に対する学校説明会が今年も始まりました。
学力低下問題や中高一貫、週6日制授業などで今年は中堅以上の私立中学が人気を集めました。
また、学区制を撤廃し進学重視の都立高校が倍率を高め、その結果落ちた生徒が滑り止めの私立にまわるという傾向だったようです。

先日、ある私立学校の説明会に出席した折、寝耳に水の情報が入ってきました。
その学校の校長と理事長が突然(私にはそう思えました)替わったのです。
校長の交替は別に驚くことではありませんが、この学校の場合は校長の理念とリーダーシップがまさに学校の顔であり柱であったのと、その校長の理念と全く異なると思われる企業経営者が理事長に就任したこと、また、膨大な借財を前校長が背負っていたと聞いて大変驚いたのです。

前校長は、ゆとり教育はゆるみ教育と公教育を批判し、読み書きそろばんを徹底させ、希望大学に入れるため2~3名の少人数でも選択授業を維持していると説明してきました。
また、その学校に来たいという生徒が一人でもあれば、学校を続けるともおっしゃっていました。
その結果、東大合格者を出すまでとなり、志願者も順調だったように思われます。
反面、マルチメディアを批判する一方でその設備を完備したり、推薦入試を批判していたにもかかわらず推薦入試を導入するなど理解しがたい面もありましたが、とにかく校長先生の熱意がその学校の顔であったように思います。

どうしようもない大きな経済の力が私教育に劇的な変化をもたらしたのでしょうが、熱意に賛同して入学された生徒や保護者の方はどう思っているのでしょうか。
また、その学校を推薦した塾関係者も困惑したことと思います。
厳しい経済状況・少子化・公立校の改革の影響から、生徒や保護者の充分な了解を得ずに共学化する学校もある、またはあったように聞きます。
学校も劇的に変わっていく時代になったのだとつくづく思い知らされました。

Miyachi-Zemi

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