学力低下と百マス計算(2003年4月)

陰山英男さんの百マス計算が話題になっていますが、「読み・書き・計算」は学習の基本で、あたりまえのことを今更という感じがします。
しかし逆に考えると、その「読み・書き・計算」が今なおざりにされてる、または考えるという勉強以前に、そういった基礎訓練さえしない状況・環境が広がっているということではないか、ということに気が付きました。

生徒の様子を見ても、鉛筆の持ち方、漢字はもとよりかなの書き順さえあきれるほどめちゃくちゃの人が増えました。
お母さん、お父さんがそういった躾とクロスするような部分を教えなくなった、あるいは重要視しなくなったということでしょう。
以前は、正しい箸の持ち方をしないと恥だと感じて、躾をしたものですが、そういった感性までも失われつつあるという事でしょう。

しかしながら、中学受験をしよう、目標校にチャレンジしようという意欲や向上心を持った生徒のほとんどに共通するのは、そういった躾がされ、感性をもっているということです。
ということは、それ以外の生徒たちが全体的に以前のような躾がされなくなったということになります。
これは、学力の分布状況と非常に似通っているのではないでしょうか。
つまり、一部の生徒たちは以前とあまり変わらなく学力を保持しているのだけれど、それ以外は「読み・書き・計算」さえまともにできない生徒が増え、結果、全体的に学力低下をきたしているということです。
特に学力では2番手3番手にあたる生徒たちが、学校週5日制とゆとり教育の波をまともに受けて、学習時間を減らし、大きな学力低下を招いているということでしょう。

実は陰山先生の著作をまだ1冊も読んでいないのですが、TVなどでの紹介をみると、朝ご飯を作ってやってくださいなどという、ごくあたりまえだと思っていたことが、家庭でなされなくなってきているということに今更ながら驚いています。
考え方の正しい習慣は、小さいときからの生活の正しい習慣から鍛えられるのであり、幼児期からの躾や家庭教育、父親母親のあり方を根本から見つめ直し改めていくことが大切だと思いました。

Miyachi-Zemi

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