感性と教養 (2003年2月)

昨日2003年2月11日、有楽町朝日ホールで「第6回技術教育国際フォーラム感性と教養」の講演会に出席しました。
前半は河合隼雄、後半は河合隼雄・平山郁夫の対談。
特に河合氏の基調講演は、いつもの話し上手も加わってすばらしいものでした。

まず、理工系の教育機関が、「感性」という捕らえどころのないものをテーマとして取り上げることからとても驚いた次第です。
端的に言うと、これからの最先端を行くものは西洋に追いつけという態度から方向転換し、未知の新しい分野を切り開いて行かなくてはならない。
それには、専門的な知識のみでは新しい地平が開けず、感性が作用して初めて全く新しいものができてくる。
湯川秀樹さんは、専門分野と老子の一節という全く関係のないものから、中間子理論を思いついたという。
このように、全く関係ないと思われるものを結びつけ生かす働きをするのが感性なのであり、専門知識だけでなく、幅広い知識、教養がどうしても必要なのだということなのです。
また、知識というのも、感性が影響して初めて本当に自分のものとなるのだということも話されていました。

最近、教養という言葉が死語になってきているように思っていたら、かえって今、大学の教養部の価値を見直す傾向が強くなってきているそうです。
小中学生と話していて、知的好奇心や教養をすばらしいと感じる感性が乏しいのを嘆いていましたが、教養が復権する傾向になってきたことを聞いてとてもうれしく思いました。
宮地ゼミナールの学習は、単なる狭い意味での受験偏差値競争で終わることのない、感性をも磨く学習でありたいと強く思っています。
そういう意味で、教育に関心を持って温かく見守るご家庭と輝く目と志をもった生徒諸君を、いっそう強く応援しようと思った次第です。

Miyachi-Zemi

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